こころ、唄う。

包帯

あたしの中に生まれた
確かな感情


あたしはそれを
かき消そうとした


あなたが笑うたびに
生まれる それを
見ないふりしていたの


あの頃のあたしは臆病で
傷つく覚悟なんてなかった


過去の傷が痛くなって


自分から生まれるものから
離れようとしてたの


だけど、あなたは
日を追うごとに
あたしの心に入っては


あたしの赤いそれを
膨らましていったの


誤魔化しきれない それを
確信した その瞬間から


さらに熱を帯びて


あたしはあなたから
目が離せなくなった


過去の痛みさえ
癒しては笑い顔にかえて


あたしの心は
あなたで埋め尽くされた


あなたがあたしを
かえたの


あなたがあたしを
救ってくれたの
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