Twinkleな彼は、【完】
「じゃあいいよ、その度俺が守ってやる」
唇の上に妖艶に弧を描いて、爆弾を投下する。
もう、胸が高鳴って止まない。
きっとワインレッドのスーツなんて着て、いつも以上に樹が輝いて見えるせいだ…
そんなかっこいい顔で、紳士みたいな服を着て、ヒーローみたいなことするからだ。
そうやって誤魔化してないと、おかしくなりそう
「てか、そんな状態で帰るわけにはいかねぇよな」
おばさん心配すんだろ、って
そうだった…頭の先から、靴までカシスオレンジで濡れてるんだった。
「……樹の家のシャワー借りていい?」
ちょっと気が引けるけど、これしか方法がない。
私がそういうと振り返って、驚いた表情を見せる。
「え……いや、まあ…それしかないよな」
眉間にシワを刻んで、何か真剣に考えている様子。
ダメ、なのかな?ダメならもうこのまま帰るしかないよね。
「ダメなら、」
「いや、シャワー浴びてって。」
そう言って車に乗り込む樹。
運転席からは耐えろ、耐えろって必死に唱える声がした。