Twinkleな彼は、【完】



「タブレット…?」



樹の部屋を回想して考える。


ああ、あのいつも持ってるやつか。



『そう18時から事務所で振り入れなんだけど、次のシングルの振り付け俺が考えてて、タブレットに動画入ってるんだ』


ただいまの時刻、15時半


樹もメンバーも他の仕事があり、それに同行しているマネージャーさんも取りに来る時間がないらしい。



『合鍵持ってるのは、はなしかいなくて』



「ええ!?そうなの?」



初めて聞いた衝撃の事実に、思わずベットから飛び起きる。



『うん、母さんにも綺咲にも渡してない』


さも当たり前かのように淡々と告げる。



「…そうなんだ」



いや、樹がいいなら、それでいいんだけどさ…



『頼める?』




「あー、でも17時からバイトなんだよね…」



もっと、早い時間ならすぐ行ってあげれたんだけどなぁ。



『あ、そっか。どーすっかな…』

< 120 / 259 >

この作品をシェア

pagetop