【コミカライズ連載中】➕SS 雲隠れ王女は冷酷皇太子の腕の中〜あなたに溺愛されても困ります!

哀しいワルツ

「お久しゅうございます、ジルベルト殿下。そしてマリア……公爵令嬢としてお会いするのは初めてですわね。
 わたくしはミラルダ・フォン・ガルヴァリエと申します。社会勉強をせよとの父の意向で皇宮に奉公していましたが、皇城にいる間は《ラムダ》と名を偽っておりました。偽名を伝えておりましたこと、ここに深くお詫びいたします」

 長い睫毛に縁取られた濃紫色の瞳が穏やかに微笑む。
 達観したような余裕と落ち着きを見せるガルヴァリエ公爵令嬢は、紛れもなくマリアが良く知り、心から会いたいと願った女性だ。
 
「……ラムダ、本当に、あなたなの……?」

 思いもよらぬ再会に愕然としてしまう。
 
「お二人は……ご存知だったのですね……」

 マリアの驚愕をよそに、ジルベルトとフェリクスは眉をひそめただけだった。

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