その恋、まぜるなキケン



「ハァッハァッハァッ……」


現場に到着した旭は、ビルの前で雨が強く打ち付ける地面に横たわっている人……のようなものを見つけて駆け寄った。


「……おいアンタ誰だよ。晃にやられたのか?なぁ、おいッ!」


骨が砕け散り、体はぐにゃぐにゃ。


頭部からは脳が剥き出していて、もう死んでいることは明らかだった。


顔も年齢も、性別すら怪しいが、この死体があの投稿をしていた人物だったことはもう確かめるまでもない。


バシャッ——


旭は膝をついて座り込み呆然と死体を見つめた。


「織部ッ!!!」


車が数台止まった音と共に綾人の声が聞こえてくる。


だが旭は反応することができず、抜け殻のように固まったままだった。


「……とりあえず車の中入れ。ここは俺らに任せろ」


綾人は旭を無理矢理立ち上がらせ、部下が持ってきた傘に入れてパトカーへと連れて行った。


立場は違えど、この場にいる全員が事件解決のために尽力してきた。


一瞬見えた光だったからこそ、この結末に対する絶望は大きかった——。
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