【コンテスト作品】私の恋人の裏の顔は、最低な詐欺師でした。


「……分かりました」

 私も警察官に連れられ、事情聴取の為警察署まで同行することになった。
 
 その後の取調べにおいて、拓斗は数々の詐欺事件の主犯格として詐欺を起こしていたことを認め、私に対する殺人未遂罪も加わった。
 拓斗はその後留置所に送還され、裁判が行われることとなった。

 私も事情聴取を受けた後、後に開放された。
 警察の話によると、詐欺のお金はすべて拓斗の海外の口座に全額移されていることが分かり、警察がその口座を凍結。後に回収されることになったそうだ。
 その後の裁判で、拓斗は執行猶予なしの詐欺罪と殺人未遂罪に問われ、実刑判決を受けた。
 私は再び、平和な日常を取り戻し、平和に暮らしていた。

 

✱ ✱ ✱


 しかしその数年後、拓斗は獄中で自らの命を絶ったと、ニュースや新聞などで報じられた。
  
 そこには遺書と思わしき文面が拓斗の直筆で書いてあり、【侑里、本当にごめんな。本気で愛してた】と書かれていたそうだ。
 
「……なんて残酷なんだろう」

 愛してた男は、詐欺の主犯格で、私を殺そうとした男なのだ。 
 私はそんな男を、かつては愛していた。

 でも今でもはもう、過去の人ーーー。



【THE END】
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