4K幼馴染は溺愛がすぎる

第一章

ピロン、と音を立てて携帯が何かを知らせる。
土曜の昼から外にも出ずに缶ビール片手に携帯を確認する。

「んぁ!!友梨まで結婚!?!半年前会った時は一緒に独身貴族極めようって誓ったのに。。。」

幸せそうに薬指に光るそれを見せつけるように撮られた写真を眺めながらビールを流し込む。
今年で27か、SNSは幸せそうな子連れの同級生の写真やエコー写真、結婚報告で溢れかえっている。
いいなー、みんなどうやってそんないい男見つけてるわけ?
そう、私鈴音は合コン、紹介、アプリ、フルで婚活しまくってるにも関わらず、網に掛かる男は毎度毎度クズかダメ男。
紐男に、DV紛い、浮気症にギャンブル男。
この男運の悪さは母さん譲りだな。

ケッとただただ羨ましいが詰まっているSNSを閉じて、タバコに火をつける。
はぁ〜。お酒と仕事だけは裏切らないよね。
私は大手化粧品メーカーでバリバリ営業をしている。
頑張れば頑張るだけ結果がついてくる仕事は大好き。

「尽くしても尽くしても裏切る男なんてもう私の人生にはいらん!!!」

誰もいない部屋でそう宣言し、パソコンを開いて次のクライアントの資料に目を通す。
ん〜、ここの担当者結構気難しいって前先輩が言ってたよーな、、、

机に置いていた携帯が急に小さく振動する。

「ん、あぁ。いつの間にか寝てた。ふぁ〜。はいはーい。」

寝ぼけながら電話に出ると、そこには聞き慣れた幼馴染の声

「あ、やっと出た!鈴音、また昼間っから飲んで寝てたんでしょ〜!!」

「それこそ休みの日の醍醐味でしょ〜」

「で、今日久々にみんなで呑もうってなってんだけど、どうせLIME見てないんでしょ?」

「え!まじ!行く行く〜〜!」
< 1 / 79 >

この作品をシェア

pagetop