再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~【リニューアル版】
「はい」


瑞は、冷やしたグラスにビールを注ぎ、私に手渡してくれた。


「ありがとう。いただきます」


2人で乾杯して、口をつけた。
喉が乾いていたのは緊張のせいだろうか?
体中にビールが染み渡る感じがして、少しだけホッとした。


「お医者さんの仕事はハードだからお腹も空くだろうし、できるだけちゃんと食べた方がいいよ」


つい母親みたいなことを言ってしまった。


「愛莉は? どうしてる?」


「それなりに自分で作って食べてるよ。朝は私もパンだけど、昼はお弁当作ったり」


料理をするのは昔から嫌いじゃない。料理好きの母親に、いろいろ教えてもらってたから、今はだいたいのメニューが作れる。


「そっか、愛莉は偉いな」


ふいに投げられる優しい言葉。
そんな風に褒められたら、照れてしまう。


「りょ、料理くらい、みんなできるよ」


「そんなことないだろ。愛莉の料理……食べてみたい」
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