再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~【リニューアル版】
after story 坂井 良輔
どうしようもないくらいの敗北感に、僕はずっと支配されていた。
いつだって輝いてる人間には勝てないと勝手に思い込んでいた。
普段は笑顔を作り、患者のために医師として頑張っているのに、ふとした時に自分の醜い嫉妬心や憎悪が湧き上がった。
青春時代を全て失った僕が、闇を背負ってしまった経緯は……
今となってはもう何も思い出したくなかった。


北海道に来て母と共に暮らし、病院を開業できたこと、今はあの2人に感謝している。
最近の母は、とても体調が良い。
それが1番嬉しかった。


ある日、親しい人から連絡が入った。
僕の友人が、自分自身を傷つけ、辛うじて一命を取り留めたという衝撃的な内容だった。そのことを知った僕は、いてもたってもいられず、診察が終わってすぐに、車で友人が入院する病院に向かった。


中学時代の友人がまさか……
何とも言えない心境のまま、病室に入った。
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