再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~【リニューアル版】
な、なんて大変なの……
やっぱり、お医者さんってすごい。


「本当に忙しそう。瑞、患者さんの体ばっかり心配して、自分の体調は大丈夫なの? 昔からよく風邪とか引いてたよね」


私達のどちらかが風邪を引いたら、必ずもう1人もうつってしまってた。


「それは子どもの頃の話だろ。今は、全然風邪なんか引かないし、体力には自信がある。愛莉が病院にきた時、まだ風邪引きやすいんだって思った」


「確かにそうだね。油断すると風邪引いちゃうから。でも、乗り物酔いは治ったし、人間の体って不思議だね」


「ああ、そうだ。だから勉強のしがいがある。患者さんの体にある病気を見つけ出すこと、それが俺に与えられた使命かなって思ってる。『大丈夫だから安心して』って……患者さんに言ってあげたいんだ」


瑞……
あなたのその優しさは、昔から変わってない。


大好きなお祖母さんが亡くなった時、いっぱい泣きながら言ってたよね。
「ごめんね、守ってあげれなくて。助けてあげれなくて……本当にごめん」って。
瑞は、お祖母さんのことをずっと気にしてたし、病院にも何度も通って看病して、何にも悪くなかったのに。私は、あの時の瑞の姿と言葉が、今でも忘れられない。
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