「お飾りの役立たずは不要だ」とクズ皇太子に婚約破棄された大聖母、隣国の王子に(契約)結婚しようとスカウトされる~あなたが本当に愛する人と幸せになるよう大聖母から悪女にポジションチェンジしますわ~
「え、ええ。たしかに、あなたの言う通りです」

 したがって、そう答えるしかなかった。

「そうか。もうすぐか。楽しみだな。おチビちゃんには助けてもらった。祝儀をはずまないとな。ほら、おチビちゃん。もっと食ってくれ。食いっぷりのよさは、まるで五つ子か六つ子でも腹に宿していそうだがな。それはともかく、いまから励むのだったら体力をつけておけ」

 辺境伯は、この辺りの名物料理らしい肉や野菜の串焼きが大量にのっている皿をテーブルにドンと置いた。

 ちょっ……。

 五つ子か六つ子がお腹にいるほどの食べっぷりですって?

 まあ、いいわ。

 子どものことはともかく、せっかくですもの。思う存分いただかないと。

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