「お飾りの役立たずは不要だ」とクズ皇太子に婚約破棄された大聖母、隣国の王子に(契約)結婚しようとスカウトされる~あなたが本当に愛する人と幸せになるよう大聖母から悪女にポジションチェンジしますわ~
「ラン、それは違う。おれたち二人で、だろう?」
「そうかもしれないわね。楽しみだわ」
「ああ」

 視線が合うと、どちらからともなく笑い始めた。

 そういえば、チャーリーは愛する人に会っているのかしら?

 バラ園の東屋で会って以降、彼はわたしの相手や外交官としての仕事で忙しくしている。ここ数日間は辺境伯のところにいたし、会う暇はそうそうないかもしれない。

 彼女、きっと寂しい思いをしているわよね。

 というか、わたしを恨んでいてもおかしくない。なにせ彼を独占しているのだから。
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