「お飾りの役立たずは不要だ」とクズ皇太子に婚約破棄された大聖母、隣国の王子に(契約)結婚しようとスカウトされる~あなたが本当に愛する人と幸せになるよう大聖母から悪女にポジションチェンジしますわ~
 それはともかく、他の王子たちより優秀で王太子になってもおかしくないのがチャーリーなのに、その存在を認めてもらえないというのが現実。その妻のわたしに関しては、ただのいじめといびりの対象でしかない。

 いずれにせよこの披露宴は、わたしたちに「大恥をかかせる」だけのもの。

 だったらいっそ期待通り「大恥をかきましょう」といきたいところだけど、悪女としてはそんなサービス精神を発揮するわけにはいかない。

 というわけで、いま、チャーリーとわたしは大広間の大扉の前で二人並んで立っている。
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