「お飾りの役立たずは不要だ」とクズ皇太子に婚約破棄された大聖母、隣国の王子に(契約)結婚しようとスカウトされる~あなたが本当に愛する人と幸せになるよう大聖母から悪女にポジションチェンジしますわ~

国王のおでまし

「どうやら、この場で王太子の発表をする予定らしい」
「では、この宴の『大恥をかかせる』という目的も、ついでというわけね」

 おどけたように返すと、彼は苦笑した。

「王妃たちも『大恥をかかせる』ことについては諦めもついただろう。なにせ、きみは完璧だから。彼女たちの顔を見れば一目瞭然だよ。『溜飲が下がる』とは、つくづく思うね。それはともかく、向こうも用事はないだろう。おれたちは、この辺でお暇しようか」

 彼の言う通りである。
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