「お飾りの役立たずは不要だ」とクズ皇太子に婚約破棄された大聖母、隣国の王子に(契約)結婚しようとスカウトされる~あなたが本当に愛する人と幸せになるよう大聖母から悪女にポジションチェンジしますわ~

お父様がやって来た

 そんな慌ただしい日々の中でも、いつも心の中にはチャーリーの愛おしい人の存在がある。周囲をだましているといううしろめたい気持ちとともに、彼女という存在が心の中を大きく占めている。

 チャーリーに何度か話をしようとした。話し合おうとした。だけど、彼はのらりくらりとかわしてしまう。

 そんな彼のわたしへのかまいっぷりは、これまで以上にすごいことになっている。

 そして、わたしもそれがうれしいし、望んでしまっている。

 こんな状態、ぜったいにいいわけがない。

 頭ではわかっている。だから、「今度こそ話すのよ。チャーリーと話をし、彼の前から去るのよ」と自分自身に言いきかせる。
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