「お飾りの役立たずは不要だ」とクズ皇太子に婚約破棄された大聖母、隣国の王子に(契約)結婚しようとスカウトされる~あなたが本当に愛する人と幸せになるよう大聖母から悪女にポジションチェンジしますわ~
 チャーリーといっしょに部屋を出て行きながら、亡くなったお母様に詫びた。

(お母様、ごめんなさい。お父様を見捨ててしまったわ)

 お母様は、政略結婚だった。

 お母様は、お父様のことを愛していたのだろうか。歩み寄ろうしたのだろうか。

 お母様は、お父様のこんな醜態や本性を見て悲しんでいるだろうか。

 わたしにはわからない。

 だから、詫びるしかない。

 部屋を出て馬車に乗り込んでもなお、お父様の悲痛な叫び声が耳を離れなかった。
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