「お飾りの役立たずは不要だ」とクズ皇太子に婚約破棄された大聖母、隣国の王子に(契約)結婚しようとスカウトされる~あなたが本当に愛する人と幸せになるよう大聖母から悪女にポジションチェンジしますわ~
 チャーリーのエスコートは完璧で、しかも彼はデートの相手としては親切で面白くて申し分ない。

 彼とすごすことが、すぐに普通になった。

 まるでほんとうの夫婦のデートのように、二人でいっしょにすごすことが日常化した。

 わたしたちにあるのは、癒しと笑い。

 いつしか彼がなくてはならぬ存在になっていた。

 とはいえ、彼の存在が大きくなる半面、不安や心配が大きくなっていく。

 こんなにわたしと一緒にすごしていいの? 彼の愛する人は、彼を待っているのではないの? しょせん契約妻であるわたしが、彼を独占していていいの?

 彼の愛する人のことを思うと、たまらない気持ちになる。そして、彼自身にも申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
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