「お飾りの役立たずは不要だ」とクズ皇太子に婚約破棄された大聖母、隣国の王子に(契約)結婚しようとスカウトされる~あなたが本当に愛する人と幸せになるよう大聖母から悪女にポジションチェンジしますわ~
 罵倒や文句が発せられるかと思いきや、うしろからいかなる言葉も飛んでこない。

 もしかして、驚かせすぎたのかしら? それとも、相手にするほどでもないと判断されたのかしら?

 異様なまでの静寂を背中で感じながら、バラのアーチをくぐった。

 そこではじめて、ジャニスとカイラが追いかけてくる気配を感じた。

 そうして、わたしたちは颯爽とバラ園をあとにした。

 この日、わたしは一日中森で読書をしてのんびりすごした。
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