「お飾りの役立たずは不要だ」とクズ皇太子に婚約破棄された大聖母、隣国の王子に(契約)結婚しようとスカウトされる~あなたが本当に愛する人と幸せになるよう大聖母から悪女にポジションチェンジしますわ~

第四王子の正妃パトリシア

「あのー、仲良くお話しされているところに恐縮ですが……」
「お二人の邪魔をして申し訳ありませんが……」

 そのとき、十二人がけの長テーブルの側に佇んでいるジャニストカイラが控えめに口をはさんできた。

 というか、二人にはわたしたちがそんなふうに見えるわけ?

 ああ、そうか。チャーリーとわたしって、一応夫婦なんですものね。

「パトリシア様は、第四王子の正妃です」
「先日のバラ園のお茶会でラン様が助けた、あの方です」

 そのとき、二人が同時に言った。

 そういえば、お茶会に乱入したわね。

 それでもやはり、どういうレディかすぐには思い出せそうにない。
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