「お飾りの役立たずは不要だ」とクズ皇太子に婚約破棄された大聖母、隣国の王子に(契約)結婚しようとスカウトされる~あなたが本当に愛する人と幸せになるよう大聖母から悪女にポジションチェンジしますわ~
「大聖母」として、「祈りの間」にずっとこもっていたわたしは、パーティーや舞踏会に出席したことが一度もない。それどころか、上流階級の人たちの前に出たことすらない。元婚約者である愚かな皇太子に婚約を破棄された例のパーティーが、皮肉にも公式の場に出た最初で最後だった。

 それを知った王妃たちは、わたしがマナーやダンスをなにも知らないので大恥をかくと算段しているのかもしれない。

 まぁ、それはたしかに当たらずとも遠からずだけれど。

 その情報を得た同日の夕食時、チャーリーから国王の伝言をきかされた。

 それは、チャーリーとわたしの披露宴と舞踏会を行う為、ぜったいに出席するようにとの内容だった。
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