12上の御曹司と女子高生は愛を育めない

不味い。どう考えてもおかしい。
すぐに車が動いてそれなりのスピードで走っている。
高田さんはスマホで何か打ち込んでいるようで、私も光生さんにメールしようとしたらそのスマホを手が覆う。


「放して下さい」


「川井さんは光生様の状況を悪くしたいのですか?」


そんな言葉に思わず眉間に皺が寄れば、


「今、光生様の立場は非常に危うく、今日も創立記念パーティーの案件などいくつも平行しながらお仕事をこなされています。
川井さんからすればたかが友人の婚約パーティーかもしれませんが、光生様と付き合いも長く会社としても利益になる方です。
そこに貴女を送り込む、重大な仕事を任されているんですよ。
せめてそれくらい役立ってはいかがですか?」


彼が私に敵意を持っていることがありありと伝わってきた。
この彼の感情は光生さん側だからお前のような子供は光生さんに邪魔だとということなのか、そもそも敵対勢力なのかわからない。

< 202 / 226 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop