12上の御曹司と女子高生は愛を育めない
身の危険に大きな声で抗議しても大きな手は私の胸元から肌を堪能するように動く。
そして彼の顔が近づき、


「どれだけお前に触れるのを待たされたと思ったんだ。その分を補っているだけで問題ない」

「それ、もう何度も聞かされてるんだけど!」


わざと耳元で無駄に良い声で囁く。なんて悪質な。
でももうこうなれば諦めるしか無い。だけど少しくらい反撃はしたい。


「そもそも高校生を好きになった光生さんが悪いんですよ」


彼の顔が耳元から離れ、今度は鼻が付きそうなくらい正面に来て、


「仕方ないだろう、好きな女が12も下の女子高生だったんだ、お前が悪い」


そう言いながら嬉しそうに笑う。
そんな可愛い笑顔を見せられたら私が弱いのをこの人は知っている。
ちゃんと私が受け止めてくれると信じているから。


「仕方ないですね、大人として我慢してた旦那様のお好きなように」


お互い笑顔のまま口づけを交わす。
ゆっくり愛おしむような彼のキスは、絶対に私を傷つけないことを約束しているようだ。

光生さんが声で部屋の灯りを消すように指示する。
カーテンを閉めていなかった高層階の窓からは、夜なのに明るい光が入ってきてお互いの顔を照らし、また長い口づけに私の身体から力が抜けていく。
光生さんはそんな私を愛おしそうな目をして見下ろし、強く抱きしめた。


「愛している、紫央里」

「知ってます」

「そうじゃない」

「愛してますよ、光生さん」


私が返事をすれば、やっと手に入れた、そう小さな声が聞こえた。

絶対にあり得ないと思った未来を今、二人で歩んでいる。
12歳も上のこんな可愛い彼と私はこれから生きるのだと、繋がれた大きな手を握り返し、私は口元を緩めて目を閉じた。

                END
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