12上の御曹司と女子高生は愛を育めない
『週末何食いたい?』
「寝ていて下さい」
当然のように私を巻き込もうとする言葉をたたき落とす。
『そろそろイイ男と美味い飯を食べたくなる時だろう、我慢するな』
「イイ男は自分をわざわざそんな風に言わないですよ」
『肉が良いな。鉄板焼きも良いかもしれない』
「ご自分だけでどうぞ」
『では日曜日一時に春日部が迎えに行く。服装は好きなのを着てくれば良い。じゃあな』
「ちょ」
耳にはツーツーという無機質な音。
あの男、一方的に言うだけ言って切りやがった!
なんでこうも私の意思は無視なのか。
あんなにテーマパークの時は私の意思を尊重していたように思えたのに。
もしかして私が勝手に良いように捉えていただけで、本当は心底仕事のことだけで私が便利だったのだとしたら。
ムカムカと腹の底から沸き上がりだして、光生さん用のスマホに、身勝手三十路坊ちゃんが、と打ち込んで送信すると電源をオフにした。