12上の御曹司と女子高生は愛を育めない


気が付くと食事も残り僅か、光生さんの顔色もだいぶ良くなっていてほっとした。
会話もくだらない言い合いだけなのに、光生さんは人を馬鹿にしたような態度を取りつつも、何だかんだ説明してくれる。いや説明していることで自分に酔っている可能性はある、女子高生相手に。

外の庭はまだ明るいが、少しずつライトがされていっているようだ。
夜になればさぞかしロマンティックな場所なのだろう。


「腹は膨れたか」

「お腹いっぱいです。見たときは量が少ないのかと思っていたんですけど舐めてました」

「なら腹ごなしに庭でも歩くか」


さも当然の流れで言われ、口を挟もうとしたらウェイターを呼んで会計を頼んでいる。
ウェイターが席を離れてから、


「最初約束しましたよね、食べたら帰るって」


私が怒ったように言えば光生さんは口の端を上げる。


「お前がそう言ったのは覚えているが、俺はそれに応じると答えた覚えは無いが?」


思い返すと、確かにそれに応じるとは言っていない。だけど、


「断るとも言いませんでしたよね?私と一緒に行ったなら応じたと言うことでしょう?!」

「そんな中途半端な約束事、内容によっては揉める原因になるから状況で判断しろ」

「今それで揉めてるんですよ。とりあえず帰って下さい。
忙しいのにやっと出来た時間を、私が好きなお店探して連れてきてくれたのは感謝してますから」


光生さんは目を丸くした後、何故か眉間に皺を寄せて嫌そうな顔をした。

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