君を思い出す季節
「渚!部活行こー」

50分×5の長い補習が終わって奈美と優奈が来る

そいえば2人の紹介をしてなかった

2人は高校に入ってできた友達

クラスが一緒で最初は全然接点がなかったけど部活が一緒で仲良くなった

2年になって2人は1組、わたしは4組になった

クラスが離れた今も週に2回は3人で昼食を食べ、部活に行く時は一緒に行っている

奈美は明るくて元気な子

誰にでも気さくに話しかけるから顔が広くて、廊下を歩いてたらずっと誰かに手を振っている

真面目なとこもあって相談するとすごく親身になって聞いてくれるし、よく周りを見てるから気遣いが良すぎる

そして頭が良くて東城高校で30位以内に入っているらしい

優奈はとにかくいい子だ

道端にゴミが落ちていて拾っているのを初めて見た時はびっくりした

困っている子がいたらすぐに助けに行く

優奈も明るくて男女構わず友達が多い

そんな2人がわたしは大好き

たまになんで2人と内気なわたしは一緒にいれるんだろうとふと思うことがある

「ねーわたしってどんな性格?」

前を歩いている2人に聞いてみる

「どした急に?まいっか、んー優しすぎるくらい優しい!」

「努力家やね!」

「そっかーありがと!」

2人にはそう見えてるのか、

わたしは優しくないんだけどなー

サボり魔だし、

まあでもそう言ってくれるのはすごく嬉しい

そんなことを考えていると夏の香りが鼻をかすめた

この匂い懐かしいな、

思い出が蘇る

ざわざわとした教室

その中で目が合う瞬間

わたしの頬は紅色に染まる

彼は一瞬目を開いてにこっと笑う


「着替えよー」

奈美の声で我に帰る

「うん!」

小走りで2人について行った


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