ギター弾きの天使とデュエットを ~言葉を話さぬ彼に惹かれて、二人は同じ夢を見る~
「ギターはまだだけど、俺、チャコの歌は宇宙で一番好きだ」
「たけるくんー、ありがとう! そう言ってくれるたけるくんが大好きだよ」


 チャコは思わず少年の頭をよしよしと撫でていた。


「お、俺もチャコが好きだぞ。俺と結婚するか?」


 かわいい人物からのプロポーズに思わず笑いがこぼれた。


「ふふっ、ありがとう。でも、ごめんね。私は天使と約束してるんだ」
「天使と結婚できるわけないだろ」


 チャコが最初に天使と言ったものだから、ジャンはすっかり天使扱いだ。


「そうだねー。でも天使と一緒にいるって約束してるから」
「でも、天使いなくなったって……」


 なぜか少年のほうが淋しそうな表情を浮かべていた。チャコが淋しい想いをしているのを感じ取っているのだろう。


「うん。でも、私は諦めてないよ。ほら、ギターの神様でもあるし。ギターが上手くなったらきっと会える」
「じゃあ、チャコがさぼらないように俺が見張っててやる!」
「あはは、ありがとう。じゃあ、もう一曲やろうかな」


 チャコは少年のために、少年が気に入っている曲をギターを弾きながら歌って聴かせた。
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