ギター弾きの天使とデュエットを ~言葉を話さぬ彼に惹かれて、二人は同じ夢を見る~
 本番中に泣くわけにはいかないと必死でこらえたが、それでも涙がとめどなく溢れてくる。ジャンの愛が大きすぎて溺れそうなほどだ。何とか声だけは上げないようにとずっと耐えていたが、楽屋に戻るともう我慢できなくて、チャコはジャンに抱きつき、声を上げて泣いていた。


「ひっう……ジャンっ……ジャン……ふっ……ジャン、大好き……好き、好き……ジャンっ……うっ……好きだよーっ……ジャン」
「うん。俺も好き。チャコが好き。世界で一番好き」


 ジャンのことが好きすぎて苦しい。呼吸すらままならない。そんなチャコをジャンは強く強く抱きしめてくれた。


「籍入れて、式も挙げた。でも、俺は役所でも神でもなくて、チャコに誓いたい。チャコのこと一生愛するって。好きだよ、チャコ」


 ジャンの愛は本当に計り知れない。チャコもありったけの愛をジャンに捧げたかった。


「私も。ジャンに誓う。ジャンのこと一生愛する。ずっとずっと好き。大好き」
「チャコ」
「ジャン」


 二人はどちらからともなく顔を寄せ合い、誓いのキスを交わした。
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