ギター弾きの天使とデュエットを ~言葉を話さぬ彼に惹かれて、二人は同じ夢を見る~

3. 音楽祭

 音楽祭当日は一度『Joy』に集合し、しげさんと山さんの車で会場まで向かった。会場に到着するとたくさんの出店が並んでおり、会場はすでに多くの人で賑わっていた。


「え、すごい……こんな大きいお祭りなんだ」
「チャコちゃんはこの祭り自体初めてなんだね」
「はい。家からはちょっと距離あるし、こんなのやってるなんて知らなかったです」
「じゃあ、演奏終わったらいろいろ見てまわるといいよ。今は準備に行こうか」


 チャコとジャンは山さんに促されて、ステージ裏へと向かった。そっとステージを見てみれば、ステージ前に座っているたくさんの観客が見えた。

 その集団をゆっくり見渡せば、恵と由香、そして航平の姿も見つけられた。知らない顔が並ぶ中に見知った顔を見つけるとひどく安心するものだ。チャコは知らず知らずほっと息を吐きだしていた。


「チャコちゃん、事前に話した通り、二曲目が終わったあとに俺が呼ぶから、そしたらステージに上がっておいで」
「はい!」
「ちゃんと俺らが場を温めておくから、チャコちゃんは堂々と出てくればいいよ」
「ふふっ、ありがとうございます」


 チャコは自分たちの出番まで、他の出演者の演奏に耳を傾けた。ジャンルは様々でまったく統一性などないがそれがかえって面白い。いつの間にやら自分の出番のことなど忘れてすっかりその演奏に聴き入っていた。

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