甘い香りが繋ぐ想い
「今日、君が目の前に現れた時、抱きしめたい気持ちを抑えるのに必死だった」

真夢は立ち上がり、遼河の背後からそっと腕を回した。

「先生、私、4月から特別支援学校で教員として働きます。古いけど、こうやって住むところも見つけました。先生が、私を通して松姫のことを想っていても構いません。私を、先生の傍にいさせてください」

回した腕に力が入る。

それまで黙って話を聞いていた遼河が振り返り、真夢の唇を塞いだ。息ができないほど深いキスが降り注ぐ。
そのままベッドに傾れ込み、遼河が真夢を組み敷いた。

遼河の渇望に満ちた眼差しが真夢を捉える。

「私は君を抱きたいと思う。だが、それは君自身を抱きたいということだ。君は他の誰でもない。三雲真夢だ。私は、三雲真夢を抱きたい」

「先生……」

遼河への溢れる想いが止まらない。

「たくさん愛してください」

遼河の唇が真夢の唇に落とされる。
蕩けてしまいそうな深いキスに声が漏れる。
真夢の甘い声が、遼河を刺激し、お互いを激しく求め合った。初めてのことで強張っていた身体も、遼河に委ねるとすぐに痛みも和らいだ。一つになり「真夢、真夢」何度も名前を呼ばれ、喜びを噛みしめる。遼河を奥深くで受け止めながら、心も身体も満たされ、甘い香りに包まれながら、真夢は深い眠りに誘われていった。

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