冷徹ホテル王の最上愛 ~天涯孤独だったのに一途な恋情で娶られました~
もぐもぐとして目を開く。パンケーキはふわふわだった。
「美味しい……これ宗くんが焼いたの?」
「ああ、だけど、市販の粉を使ったからべつに特別なことはしてないよ」
こともなげに彼は言う。
市販の粉を使ったなら、ホテルのパンケーキより手順は簡単だ。
だけど日奈子なら表面は焼けても中まで火が通っていないか、あるいは焦げているか……。
「私こんなに上手にできないのよね……」
「火加減に気をつけるだけだよ」
彼はそう言って、今度はスクランブルエッグを載せたスプーンを日奈子の口元へ運ぶ。それをぱくりと口に入れて日奈子はまたもや目を見開いた。
「美味しい! ふっわふわ!」
ホテル九条東京のメインダイニングで提供されるスクランブルエッグと比べても遜色ないように思えるくらいだった。
「シェフ直伝だからな」
「だからって……」
料理人でもない人がここまでの腕前になるなんて……。
「やっぱり宗くんってすごいのね!」
感心してそう言うと、宗一郎がスクランブルエッグをスプーンに乗せていた手を止めて日奈子を見る。そして突然、日奈子の頬にチュッと音を立ててキスをした。
「きゃっ! な、なに……? いきなり」
甘い感覚が残る頬に手をあてて日奈子は言う。
「美味しい……これ宗くんが焼いたの?」
「ああ、だけど、市販の粉を使ったからべつに特別なことはしてないよ」
こともなげに彼は言う。
市販の粉を使ったなら、ホテルのパンケーキより手順は簡単だ。
だけど日奈子なら表面は焼けても中まで火が通っていないか、あるいは焦げているか……。
「私こんなに上手にできないのよね……」
「火加減に気をつけるだけだよ」
彼はそう言って、今度はスクランブルエッグを載せたスプーンを日奈子の口元へ運ぶ。それをぱくりと口に入れて日奈子はまたもや目を見開いた。
「美味しい! ふっわふわ!」
ホテル九条東京のメインダイニングで提供されるスクランブルエッグと比べても遜色ないように思えるくらいだった。
「シェフ直伝だからな」
「だからって……」
料理人でもない人がここまでの腕前になるなんて……。
「やっぱり宗くんってすごいのね!」
感心してそう言うと、宗一郎がスクランブルエッグをスプーンに乗せていた手を止めて日奈子を見る。そして突然、日奈子の頬にチュッと音を立ててキスをした。
「きゃっ! な、なに……? いきなり」
甘い感覚が残る頬に手をあてて日奈子は言う。