冷徹ホテル王の最上愛 ~天涯孤独だったのに一途な恋情で娶られました~
それは昨年から決めていたことのようだが、問題は彼女が名門鳳家の出身だということだった。
銀行業で財を成した鳳家は厳格な家風で知られている。
その娘がモデルになったというだけでも、いい顔をされていないのに、外国人との結婚を許してもらえるはずはない。
彼女は、家族と今まで築いてきた日本での仕事をすべてて捨ててイタリアへ旅立つ覚悟なのだ。
今回の帰国は、仕事でかかわった関係各所に迷惑をかけぬよう調整をするための帰国だった。
そこへ昔のよしみで最後の仕事としてアンバサダーの仕事を受けてもらったというわけだ。
ビジネス上の関係でともに行動するうちに、ふたりが恋人だという噂が出たのは予想外だったが、それについて噂をそのままにしてほしいと頼まれたのも意外だった。
なんでも美鈴の恋愛遍歴について、いつもうるさく言う彼女の両親が、黙って静観しているというのだ。
もちろん相手が宗一郎だからだろう。
九条家の長男ならば鳳家と十分釣り合うということだ。
その間、彼女は日本を立つための準備のために自由に動けるというわけだ。
「いよいよ、彼のところへ行けるんだわ」
銀行業で財を成した鳳家は厳格な家風で知られている。
その娘がモデルになったというだけでも、いい顔をされていないのに、外国人との結婚を許してもらえるはずはない。
彼女は、家族と今まで築いてきた日本での仕事をすべてて捨ててイタリアへ旅立つ覚悟なのだ。
今回の帰国は、仕事でかかわった関係各所に迷惑をかけぬよう調整をするための帰国だった。
そこへ昔のよしみで最後の仕事としてアンバサダーの仕事を受けてもらったというわけだ。
ビジネス上の関係でともに行動するうちに、ふたりが恋人だという噂が出たのは予想外だったが、それについて噂をそのままにしてほしいと頼まれたのも意外だった。
なんでも美鈴の恋愛遍歴について、いつもうるさく言う彼女の両親が、黙って静観しているというのだ。
もちろん相手が宗一郎だからだろう。
九条家の長男ならば鳳家と十分釣り合うということだ。
その間、彼女は日本を立つための準備のために自由に動けるというわけだ。
「いよいよ、彼のところへ行けるんだわ」