狐火
兄様と姉様は、余り歳は変わらず、
兄様は、25。
姉様は、23。
私は、まだ幼く7歳で、
父様は、兄様や姉様のように誇れる仕事につかせたい、と私に小さい頃から優しくそして厳しく、勉学にはげませていた。
私は、嫌とも思わず勉学にはげんでいた。
「ねぇ父様?勉学の巻物は、とっても高いよの?貴重なお金を使ってよいのか?」
「良いんだ!沙雪のためなら…ところで、沙雪、この頃兄に合いに殿城に通っていただろう?」
「まぁここ、二ヶ月…位通っておるのぉ…」
「沙雪は、殿に可愛がられとるだろう?」
「ああ!殿は優しいいんじゃ!いつも褒美と言って異里の菓子をもろうとる!」
「はは!だからだろう!その口調、身分の高い人しか使わない、とても農夫の娘には、思われないなぁ…」
父様は、大口を開けて笑うと少し淋しそうに私の頭を撫でた、
「明日もまた兄様へ使いに言ってくれるか?」
「いいぞ!また菓子が楽しみじゃ!」
「なぁ沙雪?何で夕焼けはこんなに綺麗なのかな…?」
また淋しげに父様が言う。
「それは綺麗と思うから綺麗に感じるとおもうのじゃ!」
私は、昨日尋ねた問いの母様の答が解らなく、線が外れてしまったが、出た答がそれだったので、胸を張って答えた。
「そろそろ沙雪にも伝えなければな…」
そう言って私を見つめる眼は、夕焼けの橙に染まっていた。