猛虎の襲撃から、逃れられません!

アニメ好きということは完全にバレてるし、さっきもショップ内でテンション上がりまくりだったから、もう隠す必要もないのかな。

引かれたら引かれたで、それまでだし。
別に彼に気を遣ってまで、楽しみを奪われたくない。

「アルディ推しというより、二次元のイケメンが好きというか。プリンスの扉に限らず、美麗イラストの小説とかコミックとかも読むし、他のゲームとかDVDも観たりするし」
「……なるほど」
「うちの制服でさっきのお店には入りづらいでしょ」
「まぁ、確かに」

白修館と言えば、セレブ学校で有名な高校だ。
北校舎と南校舎で制服が違い、特に南校舎に通う女子が着る制服は、お嬢様学校と言われるほどデザイン性も高い制服である。

着たい制服ランキングで、常に上位になるほど有名で、そのステータスから着ているだけで『Aランク』だなんて巷では言われる。

購入したDVDや同人誌の話で盛り上がりながら、お目当てのラーメン屋さんに到着。
彼お薦めのトマト担々麺をオーダー。

「そんなジロジロ見られると、食べれないんだけど」
「あ、すみません。美味しそうに食べる姿が可愛かったんで」
「っっ…」

可愛い?
この私が??

「津田くん、視力幾つ?」
「視力っすか?両目1.5以上あるっすよ」
「そんなにいいの?」
「先輩、……もしかして、コンタクトっすか?」

近い近い近いっっ。
グイっと鼻先がくっついてしまいそうなくらい、顔を近づけて来た。

「勉強のし過ぎっすよ、それ」


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