Good day ! 2
伊沢の様子とこずえの様子、どちらも気にかけながら過ごしていた恵真は、ある日意外な人物から電話を受けた。

「彩乃さん?どうかしましたか?」
「こんにちは、恵真さん。実は明後日、出張から羽田に帰ってくるんだけど。その日、恵真さんはお仕事?」
「ええ。でも夕方の5時には上がれます」
「本当?私、ちょうど5時前に到着する便なの。良かったらお茶でもおつき合い頂けないかしら?」
「ええ。もちろん!」

そして2日後、空港ターミナルビルのカフェで一緒にお茶を飲むことになった。

滑走路を見下ろしながら、二人でカウンターに並んで座る。

「お仕事でお疲れのところ、ごめんなさいね、恵真さん」
「いいえ。彩乃さんもお疲れ様です。いつもJWAをご利用頂きありがとうございます」
「うふふ。こちらこそ、いつも快適なフライトをありがとうございます」

二人で笑い合う。

「結婚式の準備はいかがですか?」
「色々決めているところなんだけどね。式は都内のホテルで、身内だけで挙げることになったの。挙式後そのままそのホテルで食事会をして、披露宴は別の日にしようかって話していて…」
「そうなんですか?」
「ええ。式は日曜日だけど、披露宴は真一さんも私も平日の方がお客様をお呼びしやすくて」
「なるほど」
「だけどやっぱり、真一さんのお呼びしたい人、皆様のご都合が合う日なんて無理でしょう?」
「まあ、そうですね。飛行機は毎日飛んでいますから、パイロット全員が休める日なんてありませんし」
「そうなの。だからまだ日程が決められなくて…。そろそろ決めないとって話しているんだけどね」

そう言って彩乃は紅茶を飲む。

恵真はふと窓の外の滑走路に目をやった。

とその時、ある事を思い出して彩乃に顔を向ける。

「彩乃さん。私、ちょっと思いついた事があるんです!」
「え?なあに?」

恵真は早速、彩乃に話し始めた。
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