Good day ! 2
「うわー、なんて素敵なの!」

大きな窓から見える滑走路に、彩乃は感激して口元に手をやる。

「こちらの窓は、横に全長30mございます。飛行機の離発着や綺麗な夜景も、広くゆったりとご覧頂けます」

スーツを着た男性スタッフの説明に、彩乃はますますうっとりと外を眺めた。

ここは空港ターミナルビルの最上階にあるバンケットホール。

会議やパーティーなどでも使用されるが、結婚式も行われている事を、恵真はふと思い出したのだった。

「彩乃さん。ここならその日に勤務がある人も、休憩時間に立ち寄る事が出来ます。エレベーターですぐですから」
「ええ、それはとっても素敵なアイデアね!」

野中と彩乃の披露宴の日は仕事で休めなくても、ここなら空き時間に気軽に来られる。

ひと目だけでも、野中と彩乃の幸せな姿を見てもらえるだろうと、恵真は彩乃に提案したのだった。

それに飛行機をバックにウェディングフォトも撮れる。
二人には打って付けの会場だろう。

彩乃は目を輝かせて頷き、恵真はパンフレットだけでももらえたらと、早速相談カウンターに彩乃と行ってみた。

するとたまたま今はホールが空いているとの事で、スタッフは二人にホールの下見をさせてくれた。

「こちらのイメージアルバムもどうぞご覧ください。お花の装飾やテーブルコーディネートなど、ご希望も出来る限り承ります」

分厚いアルバムをめくって、実際の会場装飾や、ケーキカット、キャンドルサービスなどの演出の写真も見せてくれる。

「まあ!とっても素敵だわ。ねえ、恵真さん」
「本当に。お花やテーブルクロスの印象だけでも、こんなに変わるんですね。どれもきれい。ケーキカットのケーキもゴージャスだし、キャンドルサービスの写真もうっとりしちゃう」
「私、もうここ以外は考えられなくなっちゃった」
「本当ですか?!でも私もここは、お二人にピッタリの会場だと思います」
「そうよね。早速真一さんと相談してみる。ありがとう!恵真さん」

にっこり笑う彩乃に、恵真も嬉しくなって微笑んだ。
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