オテヤワラカニオネガイシマス!
よく見ると
さっきまでは前髪と眼鏡であんまり見えなかったけれど
真っ赤な瞳をしている。
「キレイ……」
「ボクが怖くないの?」
「それ……は……っ」
男の子の顔が
わたしの首元に近づいてきた、そのとき。
ーーーーガラッ
「失礼します」
保健室の引き戸が、開けられた。
「って、誰もいねえな。カンナ、そこで寝てんのか?」
そ、その声は
「ここか?」
まちがいなく
お兄ちゃ……
「あけるぞ」
「待っ……!」
問答無用でカーテンの向こう側からお兄ちゃんが現れる。
「なんだ。起きてんじゃねえか」
「起き……た」
「帰るぞ」
「え?」
「え、じゃねーよ。荷物。教室から持ってきてやった」