クールな上司は捜し人〜甘愛を運ぶ幼き想い出
【好きになってはいけない】
行楽シーズンを楽しむこと無く、11月も過ぎて行く。
「北川さん、ようやく終わりが見えて来ましたね」
「ほんと、やっとよ。まぁ、まだ監査や報告書もあるから大変だけど。それに月次も来るよ」
「決算なのに月次って、辛すぎます」
「そうだよね、特に現預金。頑張れ!」
「はい・・・」

そんな話をして席に戻ろうとした時、時東さんが役員室から出て来て、後から来た武郷さんが声を掛けていた。
2人を見ていると、胸がモヤモヤする・・・
きっとこれが嫉妬・・・こんな気持ち初めてだった。
目をそむけ、私は月次処理に集中した。

「笠間さーん。手を止めてごめんね。監査室に書類運ぶの手伝って貰っていい?」
「すぐ行きます!」
北川さんに声を掛けられ、書類を運ぶ手伝いをしていると、
「笠間さん、北川さんと一緒に監査人の話、聞いておいで」
時東さんに後ろから声を掛けられた。
「先輩が質問に答えてるのを聞くと、勉強になるから。決算の時しか出来ないことだからな」
「でも、月次がまだで」
「何か言われたら、俺が対応するから心配するな」
「ありがとうございます!」

監査室で、北川さんが監査対応してる話を聞いて、とても勉強になった。
何よりも、いつも楽しく話してくれる北川さんの、違った一面が見れたし。
監査室を後にして、北川さんと部屋に戻った。
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