クールな上司は捜し人〜甘愛を運ぶ幼き想い出
「本気で勉強するなら教えるよ」
「やったぁ!」
弟よ。そんな簡単なものじゃないからね。

お母さんは、「広大さんはどんな料理が好き?やっぱり定番の肉じゃが?私の肉じゃが、碧より絶対美味しいわよ!」どこで私と張り合ってるのよ。
「是非、次お邪魔した時は、宜しくお願いします」
「腕によりをかけるわ!」
お母さん。また目が乙女になってるから。

お父さんは、「広大君!お酒呑もう!」コップを取り出して来た。
「お父さん!私達、車だからダメだよ!」
「今度、泊まりでお邪魔します。その時はお願いします」
お父さん。本当は寂しいんだよね。ありがとう。

私達はお昼ご飯を食べながら、私の小さい頃の話をしていた。
「もう、止めて!」
話し出したら、私のドジっぷりばかり。広大さんは涙を浮かべて笑ってた。

食事も終わり、お父さんは飲み過ぎて、横の座敷で寝てしまった。
「お母さん、私達そろそろ帰るね」
「うん。時東さん、碧を宜しくお願いします」
「はい。また遊びに来ます」
「待ってますね。碧、体に気を付けてね」
「ありがとう、お母さん」

車が走り出し、いつまでも手を振るお母さん。
「碧、ご両親の分まで大切にするから」
「はい・・・」
「俺達も碧のご両親に負けないくらい、温かい家庭にしような」
目が潤む私に優しく微笑んで、私の家まで送ってくれた。
「広大さん、今週末、行きますね」
「あぁ。金曜日の夜、車で迎えに来るから、少しずつ荷物纏めといて」
指輪にキスした後、私の顔を引き寄せ、
「指輪、外すなよ」
軽くキスをすると、広大さんは帰って行った。
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