秘密の夏。それを恋と呼ぶなら。

君のそばにいたいから



 新しい朝が来て、夜になって、八月の真ん中になった。僕は、僕と彼女がいるこの家の敷地から外へ遊びに行くのをすっぱりやめた。彼女はどこにも行かない。だから僕もここにいる。

 秘密の遊戯はしめやかに続いていた。彼女の秘密の核心は温かく濡れ、甘い吐息はますます甘くなり、僕の股間は固くなったままで、どうしようもない。

 彼女が起きてこない日があった。いつものように僕が覗きに行くと、ベッドで寝ているのだ。

 どうしたんだろう。具合が悪いのかな。でも呼ばれないと部屋の中に入れない。それは僕が勝手に決めたルールだったけれど、僕にとっては絶対だった。

 立ち去るべきか、それとも、何もできないとわかっていながら、部屋の外で待機しているべきか。僕は待機する方を選んだ。どうせどこにいようとも、僕の頭の中は彼女でいっぱいなのだ。だったら寝ている彼女を見つめ続けていた方がはるかに良い。
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