ラブ・ジェネレーション

翔琉とは卒業式の前に別れた、
進む道が離れてしまうこともあったけれど、彼には似つかわしくない自分が許せなかったからだ、
私といるより、きっと翔琉はもっと幸せになれる、泣きながらそう訴えた私に、
『気が変わったら連絡して、俺はいつまでも待っているから』って言ってくれた、

彼の胸の中で大泣きしながら、さよならを告げた。
そんなに悲しいのなら別れなきゃいいのに、、
自分を責める自分に戸惑いながらも、私は自分探しの道を歩き始めた。


それでも彼の言葉をそのまま鵜呑みにする程、私はお人好しじゃない、
仲のいい友達から、
彼が他の女の子と付き合い始めたと聞いたのは、卒業してから一年ばかり過ぎた頃だろうか、

その時は嘘つきとは思わなかった、素直に喜んであげる事もできた、
翔琉良かったねって、もう私の事は忘れていいからって、

あれは、本心だったのだろうか……それとも、
なにも変わっていない自分には、彼と関係を戻す資格はないと自覚していたからだろうか。


家の駐車場にラパンちゃんを停めさせてもらって、真っ暗な玄関の鍵を手探りで開ける翔琉をぼんやりと見ていた、
引き違いの真ん中と戸先側の二重ロックみたいだ、鍵を変えてあるのか何回も入れ替えてガチャガチャとうるさい、「おかしいな、開かない」

近所迷惑です、泥棒みたいに思われるし、

「もう酔っぱらい、貸して! 私がやるから」

なんの事はない、酒のせいで手元がおぼつかないだけだ、どうだと言わんばかりに一発で鍵を開け玄関の扉を引いた、

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