ラブ・ジェネレーション

抱きついて彼の背中に回した手に感じた肌の違和感、思わず手のひらでさすり確かめた、なに?

慌てて飛び起きて翔琉の背中を見た、

「かける……背中の傷はなに?」

右の肩甲骨から斜め下に十五センチばかりの酷い傷跡があった。

「あー、子供の時の怪我の痕だよ」

「酷い怪我だったんだね、右腕の怪我と同じ時の?」
「そう、俺は覚えてないけど、ひと月ぐらい入院してたらしいから」

それでか、翔琉は私がプールに行こうって誘っても、泳げないからって断っていた。

「泳げないっていうのは嘘だったの?」

「ごめん、さすがに俺でもこの傷跡を見られるのは恥ずかしいから」
翔琉にも苦手なことがあるんだってその時は驚いたけど、こんな理由があったなんて、

「話してくれれば良かったのに」
「結衣に傷を見られて嫌われたくなかった」
「見た目で嫌いになったりしないよ、翔琉だって見た目だったら私なんか選ばないでしょ」

「俺は見た目で結衣を選んだ、一目惚れなんだから」

「……そうでした」

ほんとに目と鼻と口と耳の絶妙なバランスなんかい!


ふと、交通事故に遭った男の子を思い出していた、まさか翔琉じゃないだろうか、、

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