ラブ・ジェネレーション
6.高橋まゆみの秘密


2週間後、手術は無事成功した、内視鏡を使っての手術だったため傷口も小さくて四日後には退院となった。
術後の経過も順調、暫くは通院して経過を見ながら自宅で静養するように言われた。

その間お母さんは仕事を休んで付き添ってくれていた、
「翔琉くんに感謝しないとね、結衣の命の恩人だよ」

「うん、わかってる、でもさ、
私の知らないうちに勝手に婚姻届を出しちゃって、信じられないよ」

「お母さんは区役所について行ったから知ってたよ、証人で名前も書いたし」

「えっ、お母さんもグルだったの!」

「そんな言い方しないの、結衣が助かるなら私はどんな悪い事だってするんだから」

悪戯っぽい表情で目を細めニッコリ微笑んだ、お母さんのこんな嬉しそうな顔は久しぶりだ、
ここまで育ててくれたお母さんのためにも、元気でいて幸せにならなきゃいけない。

自分だけの命じゃないんだね、皆んなの優しさに守られて私は生かされている。

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