【電子書籍化】婚約13年目ですが、いまだに愛されていません~愛されたい王女と愛さないように必死な次期公爵~
1章
この日、王城では、リエルタ王国第一王女、フレデリカ・リエルタの婚約の儀が行われていた。
まだ婚約の段階とはいえ、王女のそれであるから、本来ならば様々な手順を踏んで、荘厳に行われる。
しかし今回は、主役の年が年だから、儀式は簡略化されていた。
それも仕方がないだろう。
今から正式に婚約を結ぶ王女、フレデリカは――まだ、5歳なのだから。
リエルタ王国では、少年少女のうちに婚約が決まっていることも珍しくないが、この国においても5歳は早すぎる。
フレデリカは、王家に代々伝わる衣装も着ることができず、今日のために用意された子供用のドレスを着用している。
少しくせ毛の、ふわふわとした銀の髪に、大粒の宝石のように輝く青い瞳。
緊張しているのか、白く透き通った肌は、少しだけ紅潮していて。
小ぶりで愛らしい唇も、きゅっと結ばれていた。
今はまだ、可愛らしいという言葉の似合う幼子だが、いずれは美しい女性として成長するだろう。
幼い王女の前にひざまずき、その手を取るのはこれまた12歳の男の子。
少年の名は、シュトラウス・ストレザン。公爵家の嫡男である。
彼は成長の早いタイプで、年のわりに背が高く、雰囲気も大人びているために、儀式のための正装に身を包んでも、違和感はなかった。
まだ婚約の段階とはいえ、王女のそれであるから、本来ならば様々な手順を踏んで、荘厳に行われる。
しかし今回は、主役の年が年だから、儀式は簡略化されていた。
それも仕方がないだろう。
今から正式に婚約を結ぶ王女、フレデリカは――まだ、5歳なのだから。
リエルタ王国では、少年少女のうちに婚約が決まっていることも珍しくないが、この国においても5歳は早すぎる。
フレデリカは、王家に代々伝わる衣装も着ることができず、今日のために用意された子供用のドレスを着用している。
少しくせ毛の、ふわふわとした銀の髪に、大粒の宝石のように輝く青い瞳。
緊張しているのか、白く透き通った肌は、少しだけ紅潮していて。
小ぶりで愛らしい唇も、きゅっと結ばれていた。
今はまだ、可愛らしいという言葉の似合う幼子だが、いずれは美しい女性として成長するだろう。
幼い王女の前にひざまずき、その手を取るのはこれまた12歳の男の子。
少年の名は、シュトラウス・ストレザン。公爵家の嫡男である。
彼は成長の早いタイプで、年のわりに背が高く、雰囲気も大人びているために、儀式のための正装に身を包んでも、違和感はなかった。
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