【電書化・コミカライズ】婚約13年目ですが、いまだに愛されていません~愛されたい王女と愛さないように必死な次期公爵~
 年上のシュトラウスは、自分よりも早く大人になっていく。
 いつまでも兄妹気分ではいられないのだろう。
 10代後半になる頃には、仕事だって始めている。
 ちょうど、フレデリカがシュウにいさま呼びをやめた時期だ。
 成長し、仕事も始まったことを機に、シュトラウスは婚約者であるフレデリカと、適切な距離を取り始めた。それだけのことだ。

「仕方ないって、わかってるの。でも……寂しいな」

 苦し気に気持ちを吐き出すフレデリカに、ルーナの胸も痛む。
 フレデリカがシュトラウスに抱く親愛は、いつしか恋情へ。
 彼女は、7つ上の婚約者に、恋をしていた。
 けれど、シュトラウスの気持ちはわからない。
 大切に思ってくれていることは確かだが、彼の抱く感情の種類が、わからないのだ。

 王侯貴族の結婚に、恋愛感情は必要とされない。
 だから、シュトラウスがフレデリカのことをそういう意味で好きでなくとも、婚姻に問題はない。
 でも。もしも、彼も自分と同じ気持ちだったら。フレデリカに、恋をしてくれていたらと。そう、願ってしまう。

 フレデリカの婚約者・シュトラウスは、今も王城の敷地内に住みながら、王に仕えている。
 将来的にはストレザン公爵家を継ぐことになるため、王城で働きながら、公爵家とのやりとりも頻繁に行っており、人一倍忙しい。
 王都とストレザン領を行き来することも多い。
 彼は、王都とストレザン領のパイプ役としても重宝されているのだ。
 25歳となった今、できることや裁量も増え、彼は着実に実績を積んでいた。
 シュトラウスの仕事が、この国にとっても大事なものであると、理解している。
 けれど、彼のことが大好きな婚約者のフレデリカとしては、彼の気持ちもだが、もっと一緒に過ごす時間が欲しいところだった。

「シュウ……」
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