【電書化・コミカライズ】婚約13年目ですが、いまだに愛されていません~愛されたい王女と愛さないように必死な次期公爵~
 シュトラウスがマリエルに好意を抱いてなかったとしても、彼はもう25歳。
 考えてみれば、とっくに大人になっていた彼が、女性と一切関係を持っていないとは、考えにくかった。
 年下の婚約者に対してなにもしない分、自分の知らないところで色々な女性と関係を持っていたって、おかしくはないのだ。
 フレデリカが許可を出した覚えはないものの、この国は、愛人を持つことに比較的寛容なほうでもある。

 一度考え出してしまったら、もうとまらなかった。
 シュトラウスへの疑念や不安がどんどんあふれ出してきて、暗い世界にフレデリカを沈めていく。

 王家からの「命令」が彼を縛り付けてしまった?
 王女の自分が婚約相手だから、婚約解消もできず困らせている?
 もしも自分が王女ではないただのフリッカだったら、とっくに捨てられていた?

 彼はきっと、フレデリカのことなんて、これっぽちも見ていなかった。

 ――なのに、プレゼントなんて用意して、彼の元に通って。バカみたい。

 心がいっぱいいっぱいで、もうどうしようもなくなって。
 王城に……シュトラウスと同じ場所にいることも、つらくて仕方なくなって。
 フレデリカは、誰にも言わず、こっそりと城を抜け出した。
 王女だからこそ知る抜け道を使って、彼女は一人、夜の街に繰り出していく。
< 58 / 183 >

この作品をシェア

pagetop