【電書化・コミカライズ】婚約13年目ですが、いまだに愛されていません~愛されたい王女と愛さないように必死な次期公爵~
「フリッカ? まさか、まだ昨日の影響が……?」
「ち、違うの! 体調はもう大丈夫。薬の影響ももう残ってないって、お医者様が」
「そうか……」

 フレデリカの言葉に、シュトラウスはほっとしたようだった。
 些細なことだというのに、その反応が嬉しく思える。

「お父様から、シュウが私を見つけてくれたって聞いたの。……助けてくれて、ありがとう。それから、迷惑をかけてしまってごめんなさい」
「無事でよかったよ。……だが、俺が駆け付けるのがもう少し遅かったら、本当に危ないことになっていた」
「うん……」
「……城を抜け出したくなる日も、あるかもしれない。そういうときはせめて、護衛の一人でもつけて欲しい。きみは、自分で思っている以上に人目を引く。同じことが起きたとき、次も助けられる保証はない」

 もっともな言葉に、フレデリカは黙って頷いた。

「フリッカ。……改めて、無事でよかった。きみになにかあれば、みんな悲しむ。今後は、もっと気を付けるように」
「……はい」

 シュトラウスは、間違ったことはなにも言っていない。彼の言う通りだった。
 けれど、どこか物足りなさを感じてしまう。
 先ほどまで、家族や親友に「よかった」と抱きしめられていたからだろうか。
 シュトラウスも同じようにしてくれるのではと、少し、期待してしまっていた。
 こんなことをした理由を聞いてくれるのでは、とも。

 迷惑をかけたのは自分だと言うのに、甘やかして欲しい、優しくして欲しい、もっと気にかけて欲しいと望む自分がひどく贅沢で、わがままに思える。
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