【電書化・コミカライズ】婚約13年目ですが、いまだに愛されていません~愛されたい王女と愛さないように必死な次期公爵~
 両者、それ以上言葉を紡げず、玄関で立ち尽くす。
 そのうち、シュトラウスが室内の時計へ目をやり、

「ごめん、フリッカ。そろそろ……」

 と、暗に退室を促した。
 今は、就業前の朝の支度の時間。
 いつまでもフレデリカにいられると、仕事に遅れてしまうのだろう。
 フレデリカにもそれは理解できたから、寂しい気持ちを抱えながらも頷く。

「忙しい時間帯にごめんなさい。じゃあ……またあとで」

 自分の言った「あとで」がいつを指しているのは、フレデリカにもわからなかった。

 この日以降も、フレデリカはシュトラウスに気まずさを感じ続け、彼から距離をとった。
 隣国の令嬢・マリエルとのキスの真相についても、なにも聞けないままだ。
 シュトラウスから話しかけてくることもほとんどなく、ほっとすると同時に、やはり自分は彼にとってその程度の存在なのだと、落胆した。
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