怖い部屋-やってはいけないことリスト-
☆☆☆

結局、管理人室に到着したのはそれから30分後のことだった。
冷たい雪の中歩いてきたふたりにおじさんは驚き、すぐにストーブの前に案内してくれた。

ふたりは凍える体を寄せ合って暖を取り、コテージでの出来事をおじさんに説明しはじめた。
おじさんはふたりの話しに真剣に耳を方向けて、途中で遮るようなことはしなかった。


「そうか、そんなことがあったんだな……」


すべて聞き終えて深くため息を吐き出す。
「あの、最初からなにか知ってたんですか?

亜希が聞くと、おじさんは申し訳無さそうな表情で頭をかいた。


「それが、僕自身には霊感もなにもなくて、あの部屋に泊まっても平気だったんだ」


おじさんもあの部屋に泊まったことがあったみたいだ。
ネットで噂を拡散されているからなにかしら対処しようとしたのかもしれない。


「何日泊まってもなにも起きなくて、噂はただの噂だと判断したんだ。だけどそのときに姪の透子が心配して連絡をくれたんだ」

『おじさん、コテージに悪い噂が流れてるけど、大丈夫!?』

「正直、あの噂のせいでコテージの利用者が減っていたから、それをそのまま話してしまった。今思えば中学生に相談するようなことじゃなかったんだけど、誰かに話を聞いてほしかったんだ」


自分の運営するコテージに幽霊が出るけど、どうしたらいいか?
なんて、大人同士でなら相談することも難しそうだ。

だから透子から連絡が来たときに、つい相談してしまったんだろう。
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