怖い部屋-やってはいけないことリスト-
こんなに次から次に怪異が起きるコテージだと知っていれば、絶対に泊まりにくることはなかったのに。
ソファに座っている間にも床下収納からはゴトゴトと物音が聞こえてくるし、鏡の布は何度も床に落ちた。

その度にふたりはヒヤリとしたけれど、ひとまずは御札がきいているようでそれ以上はなにも起きなかった。


「ちょっと、透子、いつになたらこっちに来るの!?」


しびれを切らした亜希が透子に連絡を入れたけれど、まだ電車は再開の目処が立っていないようだ。
それならやっぱり部屋を変えてもらうように伝えてほしいと言えば、すぐに電話は切られてしまう。

亜希は恨めしそうにスマホを握りしめた。


「もしかしたら透子の仕業なのかも。コテージで起きる怪異を知っていて、私達を止まらせたのかも」


その憶測は正しい気がする。
透子は自分たちの能力を知っている。

更には音楽室の悪霊を追い払った経緯まである。
コテージの怪異もどうにかできると考えたのかもしれない。
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