相思相愛・夫婦の日常~カケ♡サト編~
「親に作ってもらうの?」

「ううん。嫁さん」

「「「よ、嫁さん!!!?」」」

「うん」
みんなが、心底驚いている。

「結婚したっつってたな、そう言やぁー」

「うん」

「いつ!?」

「えーと…今年の三月の終わりだから…三ヶ月弱くらい前、かな?」

「相手、誰!?」
「俺達の知ってる子!?」

「みんな知らないよ。
大学ん時の同期だから」

「へぇー!」
「写真は?
スマホにないの!?」

「あるけど…見せたくない」

「「「なんで!!?」」」

「可愛すぎるから、みんなが惚れたらやだもん」

「見せろよー」
「気になんじゃん!」

「やだ」

「…………よし!誰か、翔琉を押さえてろ!
俺が、スマホを奪う!」
雷武が言って、翔琉を羽交い締めにした。

「は?ちょっ…雷武!!
━━━━━離せ、よ!!!」

「うおっ…!!!?」
翔琉がおもいきり振り払う。
すると雷武は軽く飛ばされ、ガン!!と壁に背中を打ち付けた。

「いってぇ…」

「あ、ご、ごめん!」

「いや、俺が調子に乗ったから……
……………つか、相変わらず翔琉つえぇ…(笑)」

「そうかな?
かなり、なまってるよ?」

「そりゃあ、現役の時よりはそうだろうが(笑)
俺は、もっとなまったぞ?(笑)」

「そんな風に見えないよ?」
「だよな(笑)」
「見えない、見えない(笑)」
翔琉の言葉に、賛同する幸生達。
雷武はガタイがいいので、見た目は誰よりも強そうに見えるのだ。

「この前さ。
彼女にナンパしてきてたチンピラ?みたいな野郎がいて。
まぁ、負けたわけじゃねぇが、かなり時間がかかったんだ」

「倒すのに?ってこと?」

「そう。
高校ん時は、瞬殺だったのに(笑)」

「へぇー!」
「まぁ、あの時は喧嘩三昧だったじゃん!」
「凄かったよなー(笑)」

翔琉は、自分の手を見つめた。
確かに高校生の時は、喧嘩の毎日だった。
卒業してから、一切していない。

あの頃、負ける気は一切しなかった。

今、里海が危ない目に遭った時、守ることが出来るのだろうか。

「翔琉?」
「翔琉、どうした?」

「え?あ…ううん」

「なぁ…俺の彼女の写真見せっから、嫁さんの写真見せてー?」

「は?まだ諦めてなかったの?」
思わず雷武を睨む、翔琉。

「じゃあ、俺もー」
「俺も見せるー」

彼女持ちの仲間達も言い出して、翔琉も見せることになってしまったのだった。
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